車中で妻Bを待っていたXは、目の前でいきなり強盗Aに襲われたBを助けようとして、とっさに、車をAにぶつけようとした。しかし、車はAの身体に当たって軽い怪我を負わせただけでなくBにも衝突し、彼女に重傷を負わせてしまった。おかげで、Aは、Bのハンドバッグをやすやすと奪って逃げることができた。このような事案について、以下の場合に分けてXの罪責を論ぜよ。
(1)Xは、自己の車がBに衝突して重傷を負わせるとは夢にも思っていなかった。
(2)Xは、Aに車をぶつけようとした際、もしかするとBにも衝突するかもしれないと考えたが、Bを救出するには少々のリスクはやむをえないと考えた。
出題 立命館大学教授 松宮孝明先生
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