法人格を取得していないA大学同窓会は、会則に基づき総会を開いてBを代表者に選任した。A大学同窓会を代表してBが不動産甲・乙・丙を取得し、それぞれ代表者Bの個人名義の登記がなされた。これを前提として、以下の設問に答えなさい。
(1)A大学同窓会を代表してBが、不動産甲を第三者Cに譲渡した。その際に、BはCから受領する代金を着服する意図の下に契約を行っていた。この場合に、Cは不動産甲の所有権を取得することができるか。
(2)B個人の債権者Dが、Bの弁済がないことからB名義に登記されている不動産乙を差し押さえた場合、A大学同窓会はDに対し第三者異議の訴え(民事執行法38条)を提起することができるか。
(3)不動産丙を代表者Bが、個人名義に登記されているのを奇貨として、自己の財産と称し第三者Eに譲渡した。不動産丙は既にEに引き渡され、登記もEに移転している。この事実が発覚後、代表者Bは更迭されFがA大学同窓会の代表者に選任された。ABEF間の法律関係はどうなるか。
出題 専修大学法学部教授 山田創一先生
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